さて 冬服の管理適切ですか?
お客様クレームで、「クリーニングが不完全だったからかびや虫食いが発生した」と
いったものがありますが、羊毛、獣毛、絹、プロミックス、皮革製品などの蛋白
質繊維の場合、繊維自体が養分となるため、汚れ付着の有無にかかわらず、室温
15℃以上で、通気性が悪く湿度の高い状態で保管している場合、ヒメマルカツオ
ブシの幼虫などの害虫が好んで食べることになります。
繊維を食べる害虫には、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ、イガ、
コイガなどの「幼虫」が代表的なものとしてあげられます。カツオブシムシは、
円形の穴をあけるのが特徴で、同じ衣料害虫でもイガはもっときたない食べあと
を残します。
カツオブシムシは白色系統の花の花蜜を好み、白い洗濯物も花とまちがえて成
虫が付きやすいので取り込む前にチェックが必要です。
衣類に巣まで作るのがイガ類で、イガという名称は「衣に付く蛾」からきたもの
です。成虫は蛾。幼虫は、ひじょうに小さく柔軟なので、タンスの狭い隙間から
も簡単に侵入します。衣類を食害するだけでなく、その繊維で巣まで作り、食べ
た繊維と同じ色の保護色の巣で身を守ります。コイガは、綿、麻やレーヨンなど
の植物性のものでも育ち、ナイロン等の合成繊維にも穴をあけることがあるとい
われます。
また、カビは汚れていなくても発生します。
カビ(黴)は俗称です。菌類や微生物の集落のことを一般的にカビと言います。
カビは日常的に空気中に浮遊しています。ほとんどのカビ菌類は、温度20℃〜30℃、
湿度70%以上、酸素、栄養(タンパク、植物繊維など)の条件が整えば、どんな
ところでも活発に繁殖するといわれています。
カビは栄養になる毛繊維や綿繊維などを酵素を出して分解し養分として吸収して成長
しますから、ポリ袋を掛けたままなど湿気のたまりやすい状態にしておけば,クリーニン
グ後であろうと、繁殖し生地を破れやすくしたり、穴あき事故になったりする場合もあります。
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